2歳児

園長日記

2歳児

2歳児が園庭で運動会ごっこをしていました。
していたのは、紅白玉を投げて平均台に置かれているペットボトルのピンを倒す競技です。
競技ルールを理解するのもままならない子どもたちですから、教師とのやりとりもちぐはぐで、「あそこまで走って行ってから投げるんだよ」と説明したそばからその場で投げる子もいて、またそれが見ていて微笑ましかったです。

弁当を食べた後、ある2歳児がうがいをしにコップを持ってテラスに出てきました。その子は1学期、私を見るやいなや泣き出したり逃げた出したり、フリーズしたりしていたのですが、鉢合わせた私に向かって一言(何と言ったかはよく聞き取れず)言って「ニコッ」と微笑みながら、水道の蛇口に歩いて行きました。
子どもって、大人が思う以上に、常に身も心も成長している、変化しているのだなと、今更ながらに感動と感激を覚えました。

まだ話は続きます。
この2歳児が、うがいをしようと水道の蛇口を開けようとしますが、まだ腕の力が弱いので、なかなか水が出ないようでした。
私がそれに気付いて手を貸しに行こうとした頃、ちょうど年長児が手を洗いにやってきました。その年長児は、すぐに状況を理解したようで、スッと2歳児の傍らに寄ってきて、2歳児が持つコップに手を添えながら蛇口の下に持って行き、更に水が飛び散らないよう、ゆっくりと蛇口を開けました。コップに水が溢れる前に蛇口を閉めると、2歳児の背中を軽くポンポンと叩き、去り際に「じゃぁね!」というかのように、2歳児に向けて手をあげて教室に戻っていきました。2歳児も、「ありがとう」と言うように、手を上げて応えていました。
この光景に私は、その場に立ちつくし、何とも言えない感情がジワーッとこみ上げてきて、ちょっとウルッときてしまいました。