空虚さ

園長日記

空虚さ

  • いつもならアラームが鳴る30分程前に目が覚めるのですが、今日は1時間以上前に目が覚めました。
  • 10年以上も一緒にいて、どれ程のことをしてあげられたのか、私の元へ来て幸せだったのか、むしろ不安や不幸ばかり与えていたのではないか・・・。考えても仕方のないことでしょうが、申し訳なかったと感じることが多く・・・、そして、何を今更とつぶやいてもみたり・・・。
  • でもきっと、ここに来たからこそのこともたくさんあったでしょう。そんなことを思いつつ起き上がりました。

 

  • 悲しさもさることながら、空虚さを感じています。園児達の賑やかな声がずっと聞こえないから余計にそうなのでしょうか。

 

  • 通夜のお勤めをしました。奇しくも看板犬がなくなる1時間ほど前に依頼の電話があったのです。
  • 命あるもの全て死があり、目に見えないウイルスでさえも、その真理に従って生きています。そして生き続けようとします。だって、生き続けたいと思っていなかったら、感染予防で椅子をわざわざ離して座ることなどもしないでしょうし、ウイルスだって、空気中よりも何かの表面、表面よりも人の体内に入り込む方がより長生きできます。空気中なら寿命は2〜3時間、体内なら2週間・・・。人からしたら迷惑な話かもしれませんが、お互いただ生き続けたいが故にしていることです。「空気中では長生きできない!」「目に見えない小さなウイルスが体に入ったら場合によっては死んでしまう!」動機は違っても、どちらも生きていたいから・・・。
  • 目に見えないウイルスの感染で死ぬこともあれば、それ以外の病気で死ぬこともある。怪我で死ぬこともあれば、天災人災で死ぬこともある。仮にそんなことがなかったとしても、老衰で死ぬのです。何をしていても、どこに居ても、いつでも、死と隣り合わせで、しかも絶対に逃れられません。忌み嫌っても、縁起でもないと目や耳を逸らしても、やれ薬だワクチンだ、やれ医学の進歩だなどと喜んだとしても、間違いなく死はやって来ます。しかも、死は隣り合わせだから、いつその日を迎えるかはわかりません。でも、仮にいつかがわかったとしても、やはり確実に死ぬしかないのです。
  • だから、どう生きるべきか、生きていくべきなのかを考えた方がいいんじゃないですか?とお釈迦さまはおっしゃっている。
  • そんな話を自戒を込めてお話ししました。

 

  • リンもきっと生き続けたかったはずなのです。でも癌も生き続けたかったのです。そして結果的に癌の力が強かった。しかしその癌も宿主の死をもって死を迎えました。どちらにも死から逃れられなかったのです。
  • 死を前にしては、誰も何もできません。先延ばしは出来るかもしれませんが、止めることはできません。